2008年07月10日

123回 検察官を信じてはいけない?

 第52回公判は2006年9月8日に東京地方裁判所で開かれました。

 前回の公判で僕はN検察官から「争っていたら10年20年出られない」と言われたことを証言しました。そういう、いわば脅迫のような言葉のプレッシャーを受けて僕の供述調書はできあがったわけですから、任意性も信用性もないというのが僕の主張です。

 これに対して検察側は、僕の供述調書は僕の任意に基づくものであり、だから信頼性がある、という立場で、今回の法廷で僕に尋問をしてきます。検察側はN検察官の取り調べが妥当だということを証明しようと、同じような質問を何度も浴びせてきます。

「弁護士は『10年20年は出られない』ことはありえないと言ってくれたわけでしょう。なぜそれを信用しなかったんですか」

「取り調べでは『出られない』という話をされていますから」

「最終的に検事のほうを信用したということですね」

「はい、そうです」

「ただ、あなたの弁護士を信用されていましたね」

「もちろんそうです」

「そうすると、信頼されている弁護士さんよりも、初めて会う検事のほうを何で信用したんですか」

「N検事がそうする(10年20年僕を出さない)と思ったからです」

 弁護士ではなく検事をなぜ信用するのかと検察側が聞いてくるのですから理解に苦しみます。

 検察側はこんな質問もしていました。

「N検事から、さんざん保釈の件で脅かされて、ウソの内容の調書にサインをさせられたなんていうのは立派な不当捜査ですから、そのことを何でこの法廷で言わなかったんですか」

 N検察官がしていたことは検察側自身が認める「立派な不当捜査」だったのだとこの時初めて分かりました。

 供述調書を作成されたあとN検察官の勧めにしたがって書いた「今の心キョウについて」についても質問をしてきました。僕が自分で書いた文章だろうと検察側が何度も質問を重ねたあと、裁判長が的を射た質問をしてくれました。

「その当時のあなたの本当の気持ちだったんですか」

「いえ、違います」

「そこが違うんですね」

「はい」

 書いたのは僕ですが、本当の気持ちではありません。検察側の質問よりもはるかに的確な質問を裁判長が投げかけ、すくい上げてくれました。

ogurojru at 14:00 │Comments(3)TrackBack(0)この記事をクリップ! 闘う日々 

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この記事へのコメント

1. Posted by 北の投稿人    2008年07月10日 19:59
 検察官の質問はわけがわかりません。なんとしてもオグロさんのアラさがしをして罪に陥れようという意図を感じます。それに比べて、裁判長は的を得た質問をしていますね。しかし、彼らの世界の中では、真実を追及するよりも権力に逆らわずに、出世欲に負ける人が多いのでしょうか?無実の人間を踏み台にすることによって…
2. Posted by 海    2008年07月11日 09:30
5 おはよう。
「被疑者」は極端に不利な状況の中で、警察、検察から自供を強要されます。しかし人権を無視した不当捜査、不当尋問は調書には表現されない。ブログからよくわかります。
3. Posted by 浜のツキノワグマ    2008年07月12日 12:00
検察側が小黒さんを陥れるために何度も同じ質問をしようとするのがよくわかります。一方で、裁判長は的確な質問をして小黒さんの本当の気持ちを確認できたと思いますし、この点からも不当捜査だということを感じたはずです!なのに有罪判決が出されるなんて許せないです!

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