2008年07月09日

122回 検察官と闘う

 ところでY君は隠し持ったICレコーダーで労組の職場集会の内容を録音していました。仲間に対して隠し録音をすること自体にY君の姿勢が表れているように思います。

 その音声を警察が文字起こししました。ところが、改ざんされた部分がいくつもあるのです。法廷の場で僕は具体的に30カ所ほど指摘しました。

 例えば、検察側の冒頭陳述書にある「お前が恨んでも一緒なんだよ」は実は「お前が選んだ道なんだよ」ですし、「責任とれよ」は正しくは「(電車が)遅れているよ」です。このように会話内容が改ざんされているばかりか、発言者まで間違っていることを僕は指摘しました。

 ICレコーダーには「怒れ。うんと怒れ。馬鹿なんだから。周りがパーなんだから」という挑発の声が録音されているのですが、この声はY君だという証言もしました。

 7月14日に開かれる予定だった第50回公判は、僕が熱を出してしまったため延期にしました。全国から集まってくれた仲間に申し訳ないと思いつつも、ボーッとした頭で証言することの恐ろしさを考えると、延期してもらうのが最善でした。

 法廷が始まる前に弁護士と一緒に東京地方裁判所の刑事11部のオフィスに行って、裁判長と2人の裁判官に「今日は熱があってしっかりした証言ができないので延期にさせてください」と話しました。裁判長は優しく「分かりました」と言ってくれました。

 法廷で見る裁判長は黒い法被を着用して、上から見下ろす感じですから、圧迫感があります。でも、オフィスで見る裁判長は普通のネクタイ姿で、法被を着用していません。目線の高さも僕らと同じです。だからでしょうか、裁判長という感じが全然しないのです。その辺を歩いていても裁判長だと誰も分からないはずです。法廷でのイメージと全然違うことが印象に残りました。

 第51回公判は7月31日に開かれました。引き続き弁護側の質問に答える形で、僕が受けた異常な取り調べの様子を話しました。

 このブログですでに書いたように、取り調べの過程で何度も何度も「争っていたら10年20年出られない」と言われたこと、倒れて入院した時でさえベッドの枠に手錠でつながれていたこと、退院して杉並署に戻ったあとほとんど休む間もなく供述調書をつくられたことなどを証言したのです。

 この証言によって供述調書の任意性と信用性について徹底的に検察官と争います。

 取調室で「争っていたら10年20年出られない」とN検察官に言われ、争うことを一度はあきらめた僕ですが、この4年間で大きく成長したと思います。

 信頼し合える多くの仲間がいること、そして無罪を勝ち取るために被告人とされた6人の先輩たちと努力してきた日々のおかげです。

ogurojru at 15:00│Comments(2)TrackBack(0)この記事をクリップ!闘う日々 

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この記事へのコメント

1. Posted by 海   2008年07月10日 10:17
5 裁判官、法廷では権威が必要だから法衣をまとうのでしょう。事務所での印象おもしろいです。法衣を着ると国策を担う裁判官に変身です。
2. Posted by 北の投稿人   2008年07月10日 19:47
 ICレコーダーの反訳だけでもこんなに食い違っていることからすれば、Y君の証言の信憑性はどこにあるというのでしょうか。だって、聞いたら分かるわけですよね。裁判官や検察官が本当にそのように聞こえたというのなら、聴覚障害か幻聴としか言いようがありません。

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