2008年03月05日

5回 取調室

 両側を警察官にはさまれ、僕の乗った車は首都高を降りました。「もうすぐだから、はめるよ」と手錠をかけられました。重くてひんやりした手錠が僕の手にまたかけられました。

 「オグロ、マスコミが来ているぞ」

 携帯電話でどこかと連絡を取っていた助手席の警察官が声をかけてきます。

 えー! 

 マスコミというとワイドショーのイメージしかありません。テレビカメラがいっぱい押し寄せて、マイクを突きつけられ、もみくちゃにされて、という光景です。

 家宅捜索令状にあった「革マル」という文字を思い出します。僕は革マル派ということになっていて、革マル派逮捕ということでワイドショーが来ているのだろうか。

 僕を乗せた車は同じところをぐるぐる回っています。今から思うと、何か様子をうかがっているような感じです。

 僕の左隣の警察官が自分のジャンパーを脱いで、「マスコミが来ているから、これをかけるから」と言ってきました。僕は素直に「はい」と受け止め、前かがみになって、ジャンパーを頭からかぶせてもらいました。

 今思うと、僕は何もしていないのに、まるで本当の犯人のような姿をしてしまったことになります。しかも、本当にマスコミが来ていたのかどうか分かりません。実際に革マル派逮捕があってもその程度でマスコミが来るのかどうか、ちょっと疑問です。でも、この時はそんな疑問を持つことなどありませんでした。

 車は地下の駐車場に着きました。そこから狭いエレベーターで上がります。

 降りたところは、ベージュ色の壁でした。学校のような感じです。でも、学校と違って冷たく重苦しい空気です。

 僕の脳は停止状態でした。ふわふわしている感じです。何かを考える余裕などほとんどありません。そもそも僕は悪いことを何もしていないのですから、「ついに警察に見つかった」などの実感がないのです。ただ、逮捕されたという激しいショックがあります。そのショックが尾を引いていて、頭の動きが鈍くなっていたのかも知れません。それでも、「2〜3日で帰れる」ということを自分に言い聞かせるように思っていました。「2〜3日で帰れる」のが唯一の救いだったのです。

 エレベーターを降りて左に行って、突き当たりを右に行き、さらに右に折れると、銀色のジュラルミンのドアが並んでいます。その1つに入れられました。4畳くらいの狭い部屋です。机とイスがあるだけの殺風景な空間です。

 ここが取調室なのか。僕は奥のイスに座らされます。

ogurojru at 10:06 │Comments(4)この記事をクリップ! 2002年11月1日に突然の逮捕 

この記事へのコメント

1. Posted by 生まれ青森ぃ五所川原ぁ〜♪    2008年03月05日 14:49
5 ☆ブログ開設おめでとうございます☆
全部読ませてもらいました!ブログ読んで、小黒さんの講演を初めて聞いた時のことを思い出し、胸が熱くなりました。
まだまだこの事件の事を知らない人が世の中にたくさんいます。このブログを初めて読む人は「何かの小説か?」と思う人もいるかもしれないけど、5年前実際に起きたことです。このブログを読んでもらい、事件の真実を広げていきましょう!小黒さんと美世志会は無実だ!
微力ながら自分も広めていきます!!

from 763
2. Posted by murazo    2008年03月05日 18:25
最初から読みました。自分に置き換えて読むと背筋がゾクゾクと震えがきました。
自らが体験した理不尽な日々を全てブログで公表して無実を伝えて下さい。
忙しいと思いますが応援してます。
頑張れ!カクノリ\(^O^)人(^O^)/
3. Posted by 海    2008年03月06日 10:47
5 最近、えん罪がはらされるケースが続いています。小黒さんのケースを見るまでもなく不当な取り調べ。それに自白強要許せないです。北九州の事件ではスパイまで使っていたということです。二審での勝利確信しています。
4. Posted by 静岡の鉄道好き労働者    2008年04月06日 09:27
4 革マルって革命を起こす人ですよね。オグロさんはJR東日本の運転士であって全く関係ない。なのに警察はオグロさんを革マルの一員に仕立てあげた、やはり警察に仕組まれた逮捕に、怒りを感じました。

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